ペンギンの飛び方

本を読んだりニュースを見たりして考えたことを、自由に書いていきたいと思います。

2017-01-01から1年間の記事一覧

「共同体の罪」に対する責任と「歴史修正主義」

小池都知事の最近の言動や、8月に放送されたNHKスペシャルの影響もあってか、過去の歴史と、現在を生きる私たちとの関係、あるいはそれに対して私たちが持つ責任などの議論に再び注目が集まっています。 今回の記事ではこのような議論に関連して、「共同体の…

NHKの日米トップに対する報道の違い(ミサイル発射とハリケーン被害に関して)

このブログでは過去に何回か、(政治に関する)報道における「アクター中心主義」の問題について論じてきました。 human921.hatenablog.com human921.hatenablog.com 報道における「アクター中心主義」とは、僕が勝手に作った造語で、簡潔に言えば、 1 人物…

『ハクソーリッジ』と『小さな抵抗』

※映画のストーリーに関しての記述があります。 先日、映画『ハクソーリッジ』を見てきました。 沖縄戦において敬虔なキリスト教徒としての立場から戦場においても人を殺さず、それどころか武器すら持たずに衛生兵として数多くの兵士の命を救った、実話を基に…

「日本スゴイ」の時代比較

過去の記事では、近年のいわゆる「日本スゴイ」言説を、社会心理学(的な)観点から論じてみました。 それによれば、「日本スゴイ」という言説には、「内集団バイアス」と「黒い羊効果」という一見矛盾するようなロジックが内包されていたのでした。 詳しい…

政治とクリシェ

www.asahi.com 最近、政治におけるクリシェ(常套句)の存在が再び注目を集めています。 「お役所言葉」という言葉もあるように、そもそも政治とクリシェは切っても切れない関係にあるのかもしれません。 しかし、このところ見られるそれは、実のところ単に…

「駆け引き報道」と「抱負報道」

前回の記事では、僕は報道における「アクター中心主義」という概念を提起しました。 「アクター中心主義」とは、「対象の『人物』が現在、何を言ったのか、しているのかについてを中心に報道(ニュース)番組を構成すること」を意味し、換言すれば、「ニュー…

報道における「アクター中心主義」

現在、環境が変わり日常的にテレビのニュースを見ることができる状態にあります。そこで自分が気になったある報道の形態を、ここで備忘録的に書いておきたいと思います。 その報道形態というのが、タイトルにある「アクター中心主義」です。僕はメディア関係…

「日本スゴイ」と「内集団バイアス」

現在様々なメディアで取り上げられることの多いこの「日本スゴイ」という言説。各所で語られてる話題ですが、今回の記事ではこの件を、社会心理学的な観点から考えてみたいと思います。 僕が見るにこれらの言説には、大きく2種類のものがあるように思います…

差別と「社会的距離」

トランプ大統領が誕生したことで、以前にも増して注目が集まっている差別問題、人種問題ですが、今回の記事では、これらの問題と密接に関わる「社会的距離(Social Distance)」について考えてみたいと思います。 「社会的距離」とは、個人や集団間の親近、…

フェイクニュースサイトの2類型

www.buzzfeed.com このbuzzfeedさんの記事を見て、少し前から考えていたことを書こうと思います。それは、フェイクニュース(サイト)の形態についてです。2つあります。 「breitbart」型 まず、buzzfeedさんの記事で取り上げられているようなフェイクニュ…