ペンギンの飛び方

本を読んだりニュースを見たりして考えたことを、自由に書いていきたいと思います。

2018-01-01から1年間の記事一覧

公文書改ざんと民主主義の危機

私は最近、長い間読みたいとは思いつつ敬遠していたK.R.ポパーの『開かれた社会とその敵』を読んだ。間違いなく、私がここ数年手にした本の中で、最も衝撃を受けたものの一つであった。 今回は当該本で繰り広げられる議論を用いて、ここ1年半ほどの間世間を…

J.S.ミル先生によるネットでの議論のための心構え

blogos.com b.hatena.ne.jp 最近、インターネットがもたらす社会の分断について注目が集まっていますが、なんとなく読み返していたJ.S.ミルの『自由論』に、この問題を考えるヒントというか、分断の時代における議論の心構えとして有用そうな記述がいくつか…

怒りと文明化と市民性

最近投稿した記事に関連する話題がはてなブックマークでも話題になっていました。 p-shirokuma.hatenadiary.com 僕は2年半程前に、 ある問題について、「同じ考え、不満を持ち、それに賛同、共感していたのに、それを改善しようと実際に行動を起こすと冷める…

インターネットは世論の力と継続性を弱めるか

新聞、テレビ等、既存のマスメディアの信頼性が年々下がっているようです。 www.buzzfeed.com 上の記事の池上さんも指摘しているように、すべての個人が参加できるインターネットの発展によって、マスメディアの報道が広く批評の対象となり、またそれを共有…

憎悪と恐怖の世界

この前の金曜日、僕が働く職場の上司(30代)が、業務時間中に、近隣諸国の国民全体ををひどく差別するような発言をしました。 これまでも、その人物はその種の発言(すべてが現在インターネットで流布しているもの)を何度も繰り返してきましたが、今回のそれは…

ある種の寄付の呼びかけに対する違和感

「あの時○○人は私たちにたくさんの寄付をしてくれた。だから今度は私たち××人が、その恩返しをする番だ」 このような言説を、(特定の)諸外国で災害が起きた際に見聞きしたこと、みなさんはあるでしょうか。 この種の寄付の呼びかけには、時に「義務」を迫…