ノルベルト・エリアスと「互助会ブコメ」
ここ1年ほど、ブログ間でブックマークを付け合ういわゆる「互助会」という組織?が話題になっていますね。
調べたところどうやらこの「互助会」は、より多くのPV数、あるいはそこから派生するブログ収入を稼ぐために、お互いにブックマークを融通しあってホットエントリーに互いのブログを乗せることを活動の目的としているそうです。
さらにここ数日、互助会ともくされているらしいブログが炎上したらしく、新たに「なぜ互助会のブコメは賛同しかないのか、内容に批判点があるなら諌めるべきではないか」という話題が持ち上がっています。
僕自身、互助会の是非やそのあり方等の話題についてはさして興味は無かったのですが、この「なぜ互助会のブコメは賛同しかしないのか」という議論についてはかなり大きな興味を持ちました。
なぜなら当疑問に、以前このブログで「インターネットにおける言葉の暴力」について考えたときに扱った、社会学者ノルベルト・エリアスのある議論が当てはまるかもしれないと感じたからです。
ある議論とは、過去から現在にかけて、暴力の減少や人間の振る舞いが洗練された要因とは何であるのか、という議論です。
よって今回は、そのエリアスの議論の中でも中心となる「相互依存の編み合わせ」というワードから、「互助会ブコメ」について考えていきたいと思います。
続きを読む火事場泥棒はなぜ「外」からやってくる
こんにちはhuman921です。
今回の熊本での地震、ネット上ではいくつかの流言飛語が流れ、その中には、目を覆いたくなるようなものもありました。
その中には被災地における犯罪に関して、何の根拠も無い流言もありました。
そのような状況の中で、僕はどうしても気になったことがあります。
それと言うのが、そもそもなぜ被災地での犯罪はこれほどまでに人々から非難を集めるのかというものです。
まだ地震が起きて間もないころから、面白半分で(被災地へ注意を促すような体を装って)上記のようなデマ・流言を書き込む人々はいました。そしてある程度時間がたち、泥棒等被災地での種々の犯罪への懸念がささやかれるようになってからも、根拠もなしにそれらの犯罪が特定の集団によるものだとする書き込みも見受けられました。
そして今では、実際に事件が起き(今回は未遂のようでしたが)上記のような報道が出てくるようになっています。
続きを読む保育園の騒音問題と米軍基地問題
こんにちはhuman921です。
今回は下記事とそれについたコメントを読み、考えたことを少し書きたいと思います。
普段のこのブログであれば、昔は保育園の騒音は問題にならなかったのか、そうであるならばなぜ今は問題となるのかという疑問についてその背景を考えたいところなのですが、今回はそれよりも気になる点があったので、それについて考えてみたいと思います。
続きを読む
YouTubeにおける「○○」(←国名)と「○○人」のサジェスト比較:日米台露中韓
こんにちはhuman921です。
こないだのシノドスさんの記事に触発されて、以前から少しその結果に興味があったことをやってみました。
とりあえずデータとして貼り付けてみます。
すべて2016年4月5日の検索結果です。(なお、最初のワードの後にはスペースを空けています)
続きを読む
「黒人差別的なもの」と「ユダヤ人差別的なもの」の融合
こんにちはhuman921です。
シノドスさんのこの記事を見て、
思うことがあったのでこのエントリーを書くことにしました。
シノドスさんのこの記事では、「古いレイシズム」と「新しいレイシズム」という言葉が出てきます。
前者は対象集団の劣等性や犯罪行為に関してのレイシズム。
記事の中で高史明さんは、少なくとも日本のネット上のコリアンへのレイシズムはこの両者が共存していると指摘しています。
僕はこの指摘を見たとき、この2つのレイシズムの構造はあるものに似ていると感じました。
それは、米国における(古典的な)「黒人差別」と(主に)欧州の「ユダヤ人差別」です。
記事の中でも挙げられている通り、古典的な黒人差別は、黒人は劣等だと言ったり、彼らの犯罪について言及するものでした。
しかしユダヤ人に対してのそれは、彼らが(不当に)特権を得て高い地位にいる、その一方で自分達は不利な立場に追いやられているという言説が特徴的です。
よって古典的な黒人差別は古いレイシズム、ユダヤ人差別は新しいレイシズムに対応するのではと僕は思ったのです。
続きを読む